俺と葉月の四十九日
「与えなくていいからね、マオちゃん。自分で買ってくりゃいいんだから」


光は冷静だ。
いつもだけど。
光は突っ走る村上のブレーキ役だから。


「それより、ブル田と遊んでやった方がいいんじゃないか?」
「何で?」
「いや、何か…ちょっと可哀相かなって」


光の思いやりに、俺とマオちゃんは同時に吹き出した。

可哀相?むしろ楽しそうだし、邪魔されたくないんじゃねぇかな?


「放って置いてやれよ。アレでかなり楽しんでんだからさ」
「私もそう思います」

「何?マオちゃん三谷と同意見なの?!」


あ〜…村上、ウルサイ。


「ねぇねぇマオちゃん、かき氷何味あった?」

村上デレデレ。
懲りねぇ奴。
ある意味ブル田と同じだな。


「イチゴとメロンとレモンとブルーハワイ。あとカレーとおでんも。色々ありましたよ」
「あ、俺おでん食いたい!村上、行くぞ」
「は?何で俺も行くんだよ」
「朝飯食ってないから腹減った、俺」
「そんなの光の勝手じゃん」
「あまりひっついて、マオちゃんに嫌われてもいいのかよ」
「…ソレは嫌だ〜」


ホントに嫌そうだな?村上の奴。



「三谷達はどうする?」
「あ、俺はまだいいや」
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