俺と葉月の四十九日
汗を腕で拭いながら、ポカリをがぶ飲みするブル田。
右手でふくらはぎをさすりながら。


…ふくらはぎどうしたんだ?
赤くなってうっ血してる…歯型?!
犬の?!
噛まれたのか!!



「ブル田!反射神経無い!反応遅っ!」
「安田サンが早過ぎなんですよぅ」

嬉しそうだ…痛みを感じないくらい楽しいんだ?
幸せなんだなぁ、ブル田。


「あ!マオちゃん!かき氷だ!美味しそう〜」

安田、食い物にも反応早いな。

そういやコイツ、小学二年の時、アイス食い過ぎて腹痛で病院行った事あったな。

ほどほどを見極められねぇ女だから。


「海の家に売ってますよ」
「ブル田!買って!」
「仰せのままに!」


うわぁ〜…良い様に利用されてるぅ〜。


「行きましょう!安田サン!あはははっ!」


花畑の中を走る様に、安田と共に海の家へと駆けて行くブル田。
微かに足、引きずってる?


…利用されても楽しいんだ?

可哀相に…。


見送る俺とマオちゃん。


「お兄ちゃん、すごく幸せそう」
「ホントだな…」


ここまで笑い声が届いてきそうなくらいだ。
周りからは一人で楽しそうに走っている様にしか見えてないのに…。
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