俺と葉月の四十九日
「お兄ちゃん、ホントに安田さん大好きなんですね」
「すっげぇわかりやすいよな」


あれほど大好きを全面に出す奴も珍しい。
考え方を変えれば、純粋ってなる?


「そういやさ、ブル田っていつからなの?」
「いつから?」
「アキバ系っぽい」


ああ…とマオちゃんはうなずいた。

ちょっと困った顔で。


「いつからなんだろ…気付いたらって感じです」

気付いたらあんな風に?

すげぇ、気付かれずにアキバ進化してたんだ、ブル田。


「でも、優しいトコは変わらないですよ」

マオちゃんは笑った。
ブル田と違い、よく笑う女の子だな。
いい意味で。


「私、七歳までサンタクロース信じてたんです」

サンタクロース?寺なのに?


「でも、意地悪な子にサンタなんていないって馬鹿にされて。泣いて帰った事があって」
「泣いたんだ?ソレかわいいな」
「あ!ちょっとバカにしてます?」

少しスネるマオちゃん。


「してないしてない。いいじゃん、子供らしくて」


実際俺も六歳までサンタ信じてたし。

うちの親、過剰演出してくれたからなぁ。
親父がサンタに化けてプレゼントくれたりとか。
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