俺と葉月の四十九日
そうかぁ?
俺、結構一人っ子っぽくワガママだと思うんだけど。


「安田も一人っ子だけど、あいつは度を越えたワガママ女だよ」


本質だな。アレは。


「安田さんと三谷さんって、幼なじみなんですよね?」
「うん、物心ついた頃には一緒に遊んでた。腐れ縁ってヤツなのかな?」

ふぅんとマオちゃんはうなづいた。
空になったかき氷の器をストローでつついている。


「女の子の幼なじみって、どんな感じですか?」
「どんなって?」
「好きになったりするんですか?」
「ヘ?好き?!」


何ソレ!恋愛感情?


「近すぎて考えた事もねぇや。いつも気付くと居たからさ」
「家族みたいな?」
「家族…とは違う、かな」
「女友達?」
「そういうありきたりな存在として区別できない…様な気もするなぁ」
「難しいですね。どんななんでしょう?」
「どんな…なんだろうな」


思わず本気で考える俺。


好きとか嫌いとか、恋愛感情的に安田を見た事は無いと思う。
実際、お互いに彼氏彼女もいた。

それでも彼女より存在は上だった様な気もする。

なぜなら、彼女が気付かない俺の変化に、安田はすぐに気付く奴だから。

許容範囲は、彼女より広かったし。
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