俺と葉月の四十九日
ガキの頃から、悪い事も良い事もやる時は一緒。


遊び相手…兄妹?姉弟?

そういうのでもない。


…考えてみると俺にとって安田はどういう位置で、どういう存在なんだ。
俺、安田をどう見てるんだ。


大切か?と問われれば…そうだ。
でも大切だから好きとは限らねぇ。

ただ、あいつが居なくなるって考えるのは嫌だ。

今までの生活、感覚、安心感、全て変わっちまいそうな恐さもある。


安田の事は信用している。

ワガママで気まぐれで、ホント振り回されてばかりだけど、あまりにも長く一緒にいたせいか、安田の存在に安心できる自分もいる。

困るってんじゃない。
淋しい…淋しいのか?
物足りないのか?

どうなんだ、俺…。


「悩ませちゃいました?」


マオちゃんに顔を覗き込まれ、我に返った。


今…俺、真剣に考えてた。

そんな俺を見抜いたのか、マオちゃんは笑う。

「安田さんは三谷さんにとって、特別なんですね」
「特別?」
「はい」


特別って…?


「1番に好き、2番に好き。そういうのあるじゃないですか?三谷さんにとって安田さんは、順番に加える人じゃないんですよ、多分」


加えられない?
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