俺と葉月の四十九日
「何か信じられないよな?でもさぁ、2-Aの安田の机に花なんか置いてあるのを見るとさ…嫌だよな。現実見せられてる感じでさ」



……花が置いてあるのか。

それは何か、俺も嫌だな。
安田は知ってんのか?




安田を探した。


教室の隅、安田は窓際で、ぼ〜っとグラウンドを眺めていた。


身体少し透けてるな。


ユーレイか…。
何かまだ信じられねぇ。


「そういや三谷、お前彼女と別れたらしいじゃん」

村上が詰め寄る様に聞いてきた。
こいつ、一体どこから情報を得るんだろう?
いつも不思議だ。

「まぁな、10日も前だぞ?そのネタ」
「俺、お前から直接聞いてねぇもん。何で言わねぇの?」

村上は面白くなさそうだ。何でって言われてもなぁ〜。

「言うほどの事じゃねぇから言わねぇだけだ。よくある事だろ」


付き合っていたのは一年の女、国立千秋。
バイト先のコンビニに来て告られて、付き合っていたのは半年くらい。

別にフツウにかわいいけど、何かしっくりこなかった。
気ぃ使うし、少し面倒になっただけだ。


「何で別れた?」
「何となくだよ」

村上の質問にそう応え、俺は窓際に立つ安田の隣に立った。
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