俺と葉月の四十九日
「好きとか嫌いとか、そういうのを越える存在なんじゃないですか?感情で量れる範囲じゃないんです、きっと」
「範囲を越えてる?」
「だから順番付けられないし、理由とか無いから悩んじゃうんです」


違うかな?とマオちゃんは笑い、頭をかいた。


…特別ねぇ。


何か少し、整理がついた気もする。


「そうだとしても、安田の前で認めたくねぇ」
「どうしてですか?」
「調子に乗ったあいつに、うまく利用されそう」


マオちゃんは吹き出した。

「お兄ちゃんみたいに?」
「そう、ブル田みたいに」

結構今だって好き勝手やらせてやってるし、それに付き合ってるし。
これ以上ってなったら身が持たねぇ。

文字通り、魂を吸い取られるってなっちまう。


「何を楽しそうにしている」
「ウワッ!!」

気付くと、いつの間にかブル田が背後に居た!

急に声掛けるなよ!
ビビる!

「僕の監視が緩んだ隙を見計らい、マオちゃんに手を出すとは!!」
「出してねぇよ!つか、そのかき氷は何?」

ブル田はかき氷を食べていた。

問題はその量…おでん用の発泡スチロールのドンブリじゃねぇ?!


こいつ、全てにおいてフツウって基準を超越してる!
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