俺と葉月の四十九日
「兄ってブル田だけじゃねぇの?」
「1番上に兄がいます。仏教大学生の」
「仏教大学?!じゃあ、寺の後継ぎ?」
「でも…仏教ってタイプじゃないですよ?破戒僧っぽい」


ハカイソウ?


「何ソレ?」
「僧が戒律を破る事です」
「カイリツって?」
「私もよくわからないですけど、母が言うには厳しいみたいです。大体、仏教学んでるくせに坊主頭にしないんです。今は昔程徹底されてはいませんし、卒業してから剃髪すればいいんでしょうけど…それでも長髪はないですよね?」


長髪のお坊さん?パンキッシュ…。


ブル田んちって男が変わってんのか?
そうなると、ブル田の父ってどんなんだ?

ちょっと興味あるな。


「何をしている!またマオちゃんに…!」
「手ぇ出してねぇよ!話してただけだろ」


ブル田が戻って来た。
パンツ履いたか?


「安田サンは戻らないのか?」
「…ああ」


どうしようか。

これ以上、ブル田とマオちゃんを付き合わすのも悪いしな。


もしかして、先に戻ってんのかな?


「ブル田」
「何だ」

「前にさ、悪霊の話したろ?そういうのって安田にとっても危険なんだよな?」
「まぁな。だが今回、そういう気配はない」
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