俺と葉月の四十九日
安田が俺に何も言わずに逝く訳ねぇ。


案外、夜の内に戻って来るか?
朝には何も無かった顔して、おはよう!なんて言うんじゃねぇ?


…落ち着かない。


居れば騒がしいのに、居ないと調子が狂う。

だけど、捜すったって夜だしな。
待つしかできねぇ。
ユーレイって、どう捜せばいいのかもわかんねぇ。

ため息をついてベッドに転がった。

明日まで待って、戻らなかったら安田んちにでも行くか。








何時だ。
夜中にふと目が覚めた。


俺、ベッドに転がってそのまま寝ちまったのか。


部屋の中が妙に明るい…カーテンが開いたままだ。

月の光がもろに入ってきてるから明るいんだ。
閉めねぇと…風呂にも入りたい。


起き上がろうとして、身体が重い事に気が付いた。


違う…動かない…。


何?コレ。
目は開いてんのに、身体がピクリともしねぇ。

そんなに疲れてたか?俺。


「…………」


…声も出ねぇ?!

まさか…コレが金縛りってヤツ?!


初めてだ!ヤベッ!!
何だった?ブル田が教えてくれた言葉!

ナウ…何とか…。

うわぁ!思い出せねぇ!
暗記してねぇよ!


「…?!」
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