俺と葉月の四十九日
動けねぇ俺の足元に、何かが乗った。

人と同じくらいの…重さ?


途端に全身に悪寒が走った。
すげぇ嫌な感じでゾクゾクと突き抜ける。

やべ…何か恐ぇ!
本能が脅えてる…。

動けねぇ、声も出ねぇ…何かが俺の足に乗ってる。


いや、だんだん…少しづつ重みが上ヘと移動してくる!


膝の上…腹…這いずって来る様に、少しづつ少しづつ…。


恐ぇ!!


誰か来てくれ!誰でもいい!何とかしてくれ!

思わず目を閉じ様とした。

え?目も閉じれねぇ?!瞼が動かねぇ!
何だよ!何が起こってんだ!

夢だろ?
…夢であってくれ!!


重みが、胸の上ヘと上がってくる。

見ちまう!このままだと俺見ちまうよ!


見たくねぇ…恐ぇよ!
頼むからどこかへ行ってくれ!


俺が何したんだ!
何で俺のトコに来るんだよ!

誰だよ!
お前…誰なんだ!!

胸の上、リアルな重み、気配…うつむいた正体のわからない者が、俺ヘと顔を近付けてくる。

頬に感じる、細い…髪が撫でる感触?


…女か?


青白い肌…見える口元、細い顎のライン…闇の中、それだけが見える。

来るな…消えろ…消えてくれ…。

頼む!
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