俺と葉月の四十九日
ブル田にもそこまではわからねぇのか。

俺もずっと考えてた。

安田に何かあったんじゃねぇか、何か嫌な事とか知らずにやっちまったんじゃねぇかとか。


考えても分からなかった。

安田は海で、すげぇ楽しそうだったからだ。

なのに突然消えて、戻ってきたら俺の首を絞めて、また消えた…。

訳わかんねぇ…。


だけどあいつ…安田は泣いてた。

俺の首を絞めながら泣いてた。


まるで、自分の意思からの行動ではないみたいに。
いや、むしろ止めて欲しいみたいな…。
操られてるとかじゃなくて、何て言うか…走り出して止まれない…様な、止め方を知らない様な…。


恐怖を感じたのは事実。


けどそれ以上に、安田の切なさって言うか悲しさ?が冷たい手から染み込んできた感覚だ。


俺の感覚だから、正しいかどうかはわかんねぇけど、あいつが苦しんでいるなら何とかしてやりてぇ。

安田の泣き顔や悲しむ姿なんて見たくねぇよ。


あいつは…安田は笑っていなくちゃダメなんだ!

笑える様にしてやりてぇ。


「安田がどこに行ったかわかんねぇか?ブル田」
「捜すのか?安田サンを」
「当たり前だ」


何言ってんだよ!
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