俺と葉月の四十九日
ブル田は悩む様にうつむいて両腕を組んだ。


「止めておけ。今は捜さない方がいい」
「何でだよ!」


放っておけってのか?!
ブル田だって気になって仕方ねぇくせに!


「安田サンには、ちゃんと意思がある。支配されていない意思がだ。圭介の首を絞めた事に関して罪悪感もある。その首から伝わる念が、そう言っている」

「念?」

安田の?


「ずっと捜すなとは言っていない。捜すより戻るのを待てと言っているのだ。安田サンは今の自分が圭介にとって危険である事を認識している。安田サンは、自ら行方をくらませたのだ」


「…………」


自分から?

危険だと思って…消えたって?


…あいつ、今更かよ。


さんざん好き勝手やって、今更俺が危険だから?


ふざけんな!!

だったら何で俺の部屋に来たんだ!
何で俺ん家を選んだんだよ!


危険?何だそれ!

そんな気ィ使うんなら、最初からユーレイになって俺の前に出たりすんじゃねぇよ!


死んでからも俺の日常に関わって、やりたい事やって、ワガママ放題だったくせに…今更しおらしく消えやがって!

俺は首絞められた事怒ったりしてねぇ!


ふざけんなよ!!!
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