俺と葉月の四十九日
「悪い、ブル田。俺は安田を捜す」


このまま放っておけねぇ。本当に安田が自分から消えたってんなら尚更だ。


そんな勝手…俺は認めねぇ。


「…覚悟はできているのだろうな」
「覚悟?」

ブル田の言葉に瞳を細めた。


覚悟って何の事だ?


ブル田は、再びパフェをつつき始めた。


「先刻も言ったが、圭介が危険だから安田サンは身を隠した。捜し出し、戻すのならば、再び同様の出来事が起こる可能性もある」


安田が…また俺を殺そうとするって事か?


だけど俺は…安田が何を思ってそうしようとしたのかが知りたい。
危険だろうが何だろうが納得できねぇもんはできねぇんだ。


それに、安田が昇天するまでの残り時間は22日間しかねぇ。

このまま捜さずに昇天されてたまるか!


このままあいつに逝かれたら…あの世へ行ったら…二度と会える事はない。


俺は、何にもわからないままだ!


それに…あの時、安田に首を絞められた時…思った事がある。

悲しそうな安田の声と涙に…一瞬でも思った事がある。


それも、安田に会って確かめたい…。



「俺に覚悟なんてねぇ…でも…それでも捜さなきゃならねぇんだ」
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