俺と葉月の四十九日
「ちょっとは悩んで考えて、自分の本音と向き合ってみれば?二言目には面倒臭いってさぁ、それってどうなの?」
「どうなのって…」


何なの??


「傷付くよねぇ、圭ちゃんを好きでいてくれる相手に失礼極まりないよねぇ」
「お前、何怒ってんの?何でんな事言われなきゃならねぇ訳?関係ねぇし」


俺は少しキレかけた。
そんな俺を、安田は睨む様に横目で見た。

昔からの強気な視線。


「だって私と圭ちゃんは幼なじみなんでしょ?!」


安田は叫んだ。

何ムキになってんだ。
幼なじみなんでしょって…実際そうだろ。


「バーカ!圭ちゃんのバーカ」

ハァ?!罵倒入った?!


「本っ当に子供!ウンコして寝ちゃえ―っ!」
「なんっテメ!」

何かスゲぇムカつく!
特にウンコして寝ちゃえってトコ!!



安田に向かって手を伸ばした。


だが俺の手は、安田の身体をすり抜け空を泳いだ。

ひやりとした冷たい空気の感触。
ゾクリと背中に悪寒が走った。



やっぱユーレイだ、こいつ…。



安田は、泣き出しそうな瞳で俺を見た。


何?何だよ、その顔……。
何で…そんな顔すんだよ…。


「ぶわぁ―――っか!!」
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