俺と葉月の四十九日
耳まで赤いブル田…照れてんのか。

貸しなんて言いやがって、手伝ってやるって素直に言えばいいじゃねぇか。

何なんだろうな。

俺の周りって…何でこう素直じゃねぇ奴ばっかりなんだろ。


「何を笑っている!」

更に赤くなるブル田。
ホント面白い奴。
素直じゃねぇけど…いい奴。







安田が消えて三日。

約束通り、ブル田は安田に念を送ってくれている。
それに対しての反応はメールか電話で知らせてくれているが、これと言った反応はない。


だが、ブル田ばかりに頼ってはいられない。
とりあえず俺は、安田がいそうな場所を捜す事にした。


まずは…やはり安田の自宅だ。


俺は、葬式から安田の両親の顔を見ていない。
安田が俺のそばに居たから、行く必要が無かったんだ。


うちの親が話している内容では、おじさんとおばさんは…少しづつ元気にはなってきているらしい。

一人娘が死んで、急に元気になれる親なんかいねぇ。


安田んちは、俺の家から200メートル程の距離だ。
こんな近い場所に安田はいるのか?

…わからない。
あいつの行動はパターン化しにくい。


俺は安田の家の玄関前に立った。
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