俺と葉月の四十九日
何やってんだ!あの馬鹿女!

居なくなってからもチョロチョロしやがって!
何でさっさと戻って来ねぇ!!


すっげえムカつく!

捜してる俺の周りで、チョロチョロ移動しているあいつを想像すると!


俺もメール送ってみるか?
でも、おばさん達が見たら変だと思われるか?
送るとしたら…気付かれない言葉を選ばなきゃ。


今の心境をメールにすると多分…馬鹿安田、何やってんだ、チョロチョロしてねぇで戻って来い…ってなるよなぁ?


少し心を落ち着けてからメールするか…?


考えて、もう少し安田を捜して、今夜にでもメールしてみようと決めた。

返信はなくても、安田が見てるって分かっただけでも充分だ。


何か安心した。


「葉月にあげようと思ってケーキ買って来たの。圭ちゃんも食べて行って」

おばさんが出してくれたのは、安田の大好きなレアチーズケーキだった。
俺も先月、あいつの誕生日に買ってやったんだよな。

レアチーズなら毎日食べてもいいとか言いながら、めちゃくちゃうまそうに食ってた。

子供のカレー好きと同じ感覚だよな。あいつの大好きって。


単純すぎ。


「圭ちゃん、これ覚えてる?」
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