俺と葉月の四十九日
切なさと想い
安田が消えて5日。
正直、俺は焦ってた。

安田がこの世に居る日数は残り18日。
ブル田とも連絡は取っているが、返答が無いらしい。

本格的に逃げ隠れに入ってるな、安田の奴!


気になる所は捜し尽くした。

安田が行きそうな場所、面白そうな場所、記憶の糸を手繰り寄せ、安田との会話を思い出し、話に出た所は捜した。
ブル田が言うには、その中数ヵ所は安田の気配は残っているらしい。


安田の念が残るのは六ヶ所。
幼稚園と小中高の学校、安田ん家、近所の公園。

生活していた所に念が残るのは当然らしく、必ず安田が居るには至らない。


一体どこに隠れたんだ?
一緒に居れる時間は残り少ないんだぞ!

最後くらい…俺のわがままも聞いてくれ!


「う〜ん…このままでは圭介に、おごられ損になってしまう。貸しは作りたくないと言うのに」


ほらぁっ!ブル田にこんな事言われる俺の身も考えてくれよ!

「よほど圭介に会いたくないのかな?ププっ…」


笑われた…。

言うなソレ。
今の俺にはかなり切ないぞ?

「幼なじみの勘とやらもアテにならんなぁ」

…蹴られたいのか?


「お前こそ、真面目に念送ってんの?」
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