俺と葉月の四十九日
「俺って馬鹿?!」

自分を罵り、走り出した。

行き先は近所の公園。


思い出した!思い出せた!

何忘れてんだよ!俺!
安田が逆プロポーズした相手って…俺だよっ!!



あの、初めてジャングルジムに登った俺は、安田に聞かれた。


“圭ちゃんは、あたしが淋しいの分かるの?”

“葉月ちゃんが泣くと僕は淋しいよ”

“淋しくなったら圭ちゃん一緒にいてくれる?”

“いいよ!僕は葉月ちゃんの味方だもん”

“じゃあ、圭ちゃん約束して?あたしの…”


安田は…手を握りしめる俺に笑ってこう言った。


“あたしの事、圭ちゃんのお嫁さんにしてね”


…安田の逆プロポーズ、俺は受けた。
安田はそれを初恋と言っていたんだ。

忘れてたよ!
ガキの頃の口約束なんて覚えてねぇもん!


でも、安田は覚えてた。
思い出だから…。


今の安田には過去しかない。
なら覚えてる思い出の場所を捜せばいい!
ユーレイになってから行った場所じゃなくてさぁ!


何で俺、安田のそういう話を聞き逃してたんだよ…そうだったか〜…なんて軽く流してたんだよ。


何で…安田との思い出を大切に覚えておかなかったんだ!
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