俺と葉月の四十九日
そんなだから安田が死んでから自分の気持ちに気付いたりすんだよ!!

安田の事を知ってるなんて思い上がりだ!
それで気持ちを隠すなんてよく言えるよ!


言う資格がねぇってだけだ!

ごめん…ごめん、安田。






公園に着いた俺は汗だくだった。
上がる呼吸を整えながら夜の公園へと入る。

住宅地にある小さな公園は、昼間は小さい子供と母親で賑やかだが、夜は静かで淋しい。

ポツポツと立つ街灯の白い弱い光が、よけいに物寂しさを強調する。

ジャングルジムは、街灯から外れた所にある。

何だろう…なぜか安田が来てる気がする。

ジャングルジムへと視線をこらした。

あれ…てっぺんの方が少し白く光ってる。

瞳を細めて凝視する。

何であんな所が光ってんだ?

ゆっくりとジムへと足を進める。
近付くたび、その光は形をとってはっきりとしてくる。

それが人の形を映した瞬間、俺は叫んでいた。

「………安田!?!」

ジャングルジムのてっぺんにいたのは安田だった。
膝を抱えてぼんやりと夜空を眺めている安田だった。

安田は、俺へとゆっくり顔を向けた。
その表情が驚きへと変わる。

「逃げるな!!」
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