俺と葉月の四十九日
「しかもパジャマのままで来たのか!」

ブル田が着ているのはピンクのタータンチェックのパジャマ。
似合ってるし。
そしてなぜか、ブル田にしては普通?と思えてしまう。

いつもの服が服だからな。


「朝5時にメールを見て…落ち着いていられなかったのだ」
「どんだけ早起きだよ!」

早起きしたなら着替えて来い!

「…あとさ、何でパジャマの裾をズボンに入れる?」
すげぇ気になる。

「腹が冷えるからに決まっているだろう」

あ、そう。冷え防止な訳ね。


何かブル田と話してると脱力感が湧くんだな…。
マジ何歳なんだ?こいつ。

「ただいまぁ〜」

安田が戻って来た。

窓を通り抜けて来た安田を見た途端、ブル田は駆け出した。

「安田サっ〜…ぐわぁっ!」

ブル田は突然膝を崩し、床に平伏した。
テーブルに足の小指をぶつけたんだ!
見ただけで痛い!

「ブル田じゃん!来るの早っ!」
だよな?安田もそう思うよな?

「安田サ…」
床に倒れたブル田は、すがる様に安田に手を伸ばしている。

何で息が絶え絶えなんだ。


そんなブル田の前に、安田は屈み込んだ。

「言い残す事はある?」
こいつ…ブル田で遊ぶつもりだな?
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