俺と葉月の四十九日
「帰宅するのが面倒だ!パジャマでもかまわん」


冗談じゃねぇ!
そんなブル田を必死で止めた。

ピンクのパジャマに裾をズボンに収納する奴とは並んで歩きたくねぇ!


仕方がないので母さんに頼み、俺の昔の服を探してもらった。
身長が160センチくらいのブル田が着れる服は、小学生時代の物しかない。


「あらあら、ブルちゃんが着るの?」
母さんは、なぜかブル田をブルちゃんと呼ぶ。

「申し訳ありません、お母様。お手数をおかけ致します」

ブル田は礼儀正しい。

うちの母さんと言わず、この幼くかわいい外見と小ささならば、年配の女性には好かれるだろう。

しかも、母さんが探してくれた俺の小学生時代の服を着れてしまうブル田。


「ああ、圭ちゃん着てたよねぇこの服」

安田まで懐かしそうに見てた。


そんな懐かしの服を着たブル田は、安田と一緒だとテンションが上がる。
チケットを手にはしゃぎまくり。


「ホラ、安田サンのチケットですよ」
「お前、安田の分買って来たの?」
「何か言い分があるのか」

言い分って言うか…。


「安田はユーレイだからチケットはいらないんじゃ?」
「…はっ!」

今頃気付いたのか。
< 174 / 267 >

この作品をシェア

pagetop