俺と葉月の四十九日
しかも言葉で、はっ!とか言って気付いてるし。


「言われてみればそうだね?私の分はいらないね?」
「だろ?」

はしゃぎすぎなんだよ、ブル田は。


盲点をつかれたブル田は、がっくりと肩を落としている…そんなに凹む事?

いや、安田大好きのブル田にとっては、僕のおごりと言えないのが悔しいのかも。


ため息をついたブル田は、一枚のチケットを俺に差し出してきた。

「買い取れ、圭介」

うわ!買い取れときたか!


「いいじゃねぇか、お前のおごりで」
「なぜ僕が貴様におごらなければならんのだ!」

うわぁ…自分で間違って買って来たくせに!

仕方ねぇなぁ。


「わかったよ、じゃあ…面倒臭ぇからポップコーンと飲み物おごってチャラな?」
「納得しよう!」

あっさりだ!


「ポップコーンの味は何がいいですかぁ?安田サン」

嬉しそうに、隣の安田に味のリクエストを聞くブル田。

「キャラメル味だね!それ以外は無いね!」

あるよ。


「聞いたか?キャラメルだぞ?圭介」

…俺、パシリ化?

こいつら、二人揃うとわがまま放題だよなぁ。


俺は、1番でかいサイズのポップコーンを買い、後ろで待つ二人に与えた。
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