俺と葉月の四十九日
「でもさ、ポップコーンを食べるブル田って全然違和感ないね?」

後方をついて歩くブル田を見、安田はニヤニヤと笑う。


違和感?

思わずブル田を振り返る。


映画キャンペーン中とかでポップコーン容器の絵柄はピカチュウ、それを抱えて歩きながら、ポップコーンを食べるブル田…。

「…ぶっ!確かに!」
しかも服は子供用だし!

「ちょっと大人っぽい小学生だよね?」

言えてる!マジで違和感ねぇ!


「何を笑っている」

気付いたブル田、口の回りにポップコーンのカスが付いてる。

そういやこいつ、パフェでも生クリーム付けて食べてたな。
同じ歳とは思えねぇ。
でもブル田らしいと言やらしい。

ブル田が居ると、どんなに緊迫した状況でも笑えそうな気がする。
その存在に。

こう見えても、ブル田は結構頼れる奴だと思う。
俺の知らない事を知っているからだ。
それに助けてもらってもいる。


正直、ブル田が居なけりゃ安田とどう過ごせばいいかなんてわからなかっただろう。

そして安田が居なけりゃ、こうしてブル田と遊ぶ事も無かったんだ。

何だろう…俺は安田に与えてもらう事はあっても、与えてやれる事は無いのか。
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