俺と葉月の四十九日
「ブル田がお腹空いたんだって」
「はぁ?!」

しこたまポップコーン食ってたじゃねぇか!


ブル田を見た。

奴はすでにポップコーンを平らげ、容器を逆さまに振ってる…マジ?
軽く三人前はあったよな?


呆れて見つめる俺の視線に気付いたのか、ブル田は不満気に瞳を細め、唇をとがらせた。


「腹が減ったぞ。カレーが食べたい」
「カレーかよっ!」

甘い物の後だからカレーか?心理的には?


「どんな胃してんだろうね?ブル田って」

楽しそうに笑う安田。

楽しそう…それだけで今はいいよな?
残された時間、安田が楽しんで過ごせるなら。


「カレーならうまい店知ってるぞ?」

俺の言葉に、ブル田は容器を放り投げて叫んだ。
「連れて行け!」

即決だな!さすがブル田。









それから三人でブル田のリクエストでカレーを食べ、安田のリクエストに応えてゲーセンへ行った。


ブル田は安田にせがまれ、バトルゲームをやっていた。


「くそ!なぜ僕の指示通りに動かないのだ!僕がご主人様だぞ!」

ご主人は関係ないだろ?


ブル田はこの手のゲームは苦手。
恋愛シュミレーションゲームが得意らしい。
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