俺と葉月の四十九日
「ブル田ぁ、口で命令したって動く訳ないよ。手を動かさなきゃ」
隣に座り、意見する安田。

安田はゲームが好きだったからな。
しかも結構強い。


こうやってゲームを見ている安田は、ユーレイとは思えねぇ。
見慣れた光景だからかな。ポップコーンを食べるブル田以上に違和感ねぇし。


「ダメ〜!ブル田才能無し」
「そんなっ!才能はどうすれば手に入れられるんですか!安田サンっ」

熱くなってるブル田。
才能…努力じゃねぇかな?

♪〜♪♪♪〜


携帯が鳴った。
俺のじゃないな。

ブル田がポケットから携帯を出して耳にあてていた。
だよな?着うたがガンダムって言ったらブル田だな。

「何の用だ」


何のって…それがブル田流のもしもし?

何となく、ブル田の様子を観察してしまう俺。


「――っうわっ!」

突然ブル田は携帯を耳から離し、顔をしかめ始めた。何だ?

携帯からは、誰かが叫んで怒っている様な声が聞こえる。


「分かっている!忘れて等いない!僕を見くびるな!」

携帯を口にあて、ブル田は叫び返している。


…誰からの電話なんだ?


携帯を切ったブル田は、眉をひそめて舌打ちを連打している。
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