俺と葉月の四十九日
「クレープなら向こうに出店がありました〜」

安田をエスコートするブル田、幸せそう。
幸せそうに、安田の手首を握り走り出す。


「………」


…手首を握った?


「っブル田ぁ!?!」

走り出したブル田と安田を叫んで止めた!

今!安田に触ってたっ?!


呼び止められたブル田は、ビクっと身体を震わせてから、転んだ…。

「何事だぁっ!!驚くだろう!」

驚いたのはこっちだ!


「お前!今、安田の手首を握ったよな?!」

信じられねぇ…ユーレイだぞ?安田は。
ユーレイに触ったんだぞ?


そんな事かと、ブル田はため息をついた。
立ち上がり、服についた砂を払いながら説明する。


「別に驚く事ではない。触れようとすれば触れる事はできる」

マジ?…俺、全然触れないぞ?

「ブル田は普通にいつも触ってたよ?」

安田も知ってた!


「ユーレイに触るってできないんじゃねぇの?普通」
「阿保か?貴様」

今度は阿保呼ばわり。

「触れないと思うから触れないだけだ。物体としてのこだわりがあるから触れないのだ」

物体としてのこだわり?


「人間も肉体から離脱すれば、幽体だろう」

「まぁ…」

そうだけど。
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