俺と葉月の四十九日
遊ぶの?
俺、ユーレイと?


夏なのに寒い……。


「俺だって暇じゃねぇよ、他の奴とも遊んで来い。いるだろ?その辺に」

浮遊霊とか動物霊とか地縛霊とか。


また枕が飛んできて、今度は後頭部を直撃した。


「馬鹿にしてるでしょ?圭ちゃん」
「してねぇよ、枕ぶつけんなって」

大体、フツウに変…いや、かなり変だ。


ユーレイと夏休みを過ごすなんて。

正直、安田が生前と変わらずに明るい事に少し安心もしていたのも事実だが。
と言うか、こうして話していると、安田がユーレイだという実感が無いくらいだ。


学校や道で、誰も安田の存在に気付かない事で、やっぱユーレイだと感じたりはする。


安田は変わっていない。

まぁ、変わった事と言えば、少し透けていて、掴んだり触ったりできない事くらいだ。

生きていた頃と同じ、ワガママで言いたい事を言い、笑ってスネて怒って…時々悲しそうな顔もする。

死んだ自分を悔やんでるのか?

悔やんでない訳無いよな。俺が安田なら、悔やみまくっているに違いない。

安田みたいに、明るくユーレイやってられねぇ。

何でこいつは楽しそうなんだ?

笑っていられるんだ?
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