俺と葉月の四十九日
一人で逝くってのに、何でそんなに笑えるんだ?


…ワガママ言えよ。

いつもみてぇにワガママ言えよ!



またか?
…また置いてけぼりか?

俺、まだお前に敵わないってのに…置いていかれるのか。


何もできねぇからこそ、せめてお前の切なさや不安だけは分かってやりてぇ…そう思ってた。

誰よりも分かりてぇ。

そばに居るなら励ましてぇ…。


なのに、実際切なくて不安なのは…生きてる俺の方。


バカみてぇ…情けねぇ…。


何やってんだ?俺。


安田は覚悟決めてんのに、こうして悲観にくれて、何も受け入れられねぇで溺れてる。

頑張ってなんて、安田に励まされてさ。

泣きたくなる俺が居る…これが現実。
俺が弱いっていう現実なんだよ。


どうしようもねぇ…マジでバカみてぇ、俺…。





もがいでももがいでも、俺は何をすべきかなんてわからない。

そんな事をしている間にも時間は過ぎていく。
待ってくれと叫びたくても、時間は無情に過ぎていくんだ。


四十九日まで…あと四日…二日…。


安田は時間の流れの中でも、相変わらず楽しそうに笑っていた。

四十九日等、知らないみたいに。
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