俺と葉月の四十九日
「………」



何だ、そんな事か。

当然だろ。
実際いるし。


「…ビビらねぇの?」
光が俺の顔を覗き込んできた。

「別に」
「恐ぇ!とかならねぇ?」
「何でだよ」

恐くねぇし。


「何だよ!つまんねぇ」

村上は、悔しそうに舌打ちを連打した。
打ちすぎだって…。

「恐がる三谷、見たかったのによ!」
やっぱりな。
そういう奴だよ、お前は。


「つーかさ、安田のユーレイ見た奴って誰?」

それが知りたい。
俺以外にも見える奴。


「2‐Aの男だよ」
「あいつあいつ、ブル田」


何ソレ、ブル田?本名?


「何者だ?」
「三谷、知らねぇの?」
「知らねぇ」
名前から察するに、かなり面白そうな雰囲気ではある。

「背が小さくて童顔で、顔はかなりかわいいんだけどさ…」
「ちょっと掴めないっつーか、変わりすぎっつーか何つーか」


村上は困った顔を作り、両手を上げて肩をすくめて見せた。


掴めない?変わってる?
どんな風に?

マジで安田が見えるなら、ちょっと話してみたいと思ったんだけどな。


俺には元々霊感なんてねぇし、ユーレイなんて安田が初めてだ。

全っ然恐くねぇけど。
だからよくわかんねぇ。
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