俺と葉月の四十九日
何なんだよ…自分はどうなんだよ。

死んでまで何で俺を励まそうとするんだよ。
わかんねぇ、やっぱり俺には安田がわかんねぇ。


…マジ泣きたくなる。



お前は死んでも、俺の前を歩く。

ガキの頃からだ。


時々振り向いて、圭ちゃん大丈夫?って呼ぶんだよな。

俺はお前に、大丈夫?なんて聞いた事ねぇ…。

俺の方が不安定なんだ…。


俺はお前が羨ましかった。


俺に無いものをたくさん持っていたから。


明るさも強さも…安田はいつも、どんな困難も…陸上でハードルを跳ぶ様に乗り越えている様に見えてた。

今だってそうだ。


こんな俺は明日…どんな顔で安田を見送ればいい…。










ブル田とコンビニで別れ、俺と安田はチャリで帰宅する。

ブル田は雑巾掛けが終わり次第、今度は俺んちに来るらしい。
多分、泊まっていくんだろうな。


何だかんだ、ブル田も安田との別れはつらいんだ。


「昇天する魂ならば何度も見た。だが、近しい人物だとまた別問題だ」

理解していても惜しまれる…ブル田はそう言った。


それが当然だ。



ブル田は、安田の昇天には立ち会いたくはないらしい。
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