俺と葉月の四十九日
「何?」
平静を装った俺の声は、微かに震えているのがわかった。
「圭ちゃん…中学2年の時にさ、急に私を安田って呼び始めたよね?」
「………」
…はっきりと覚えてる。
葉月って呼び方を同級生にからかわれて、呼び方を変えた。
安田はこんな奴だから、中学に入ってもガキの頃と変わらない付き合いをする。
俺と安田が付き合ってるって思ってた奴もいたくらいだ。
俺は否定した。
嫌だったんだ。
幼なじみだからとか、そういう見方で付き合ってると思われるのが。
安田は、俺を幼なじみ以上に扱わなかった。
男として見てなんかいなかった。
だから普通にチャリに乗って、俺の腰に腕を回してこれたんだよ。
俺が初めて安田と呼んだ時…それは、初めて安田とケンカした時。
何で急に安田なんだと、お前は怒ったんだよな?
悲しそうな顔して、潤んだ瞳で…泣きたいのを我慢してるって俺は気付いてた。
俺は、お前と距離を置きたかったんだ。
あんまりお前が俺を男として扱わないから、幼なじみの枠から出てみようかと思ったんだ。
でも、安田は変わらなかったな。
変わらなかったんだ。
平静を装った俺の声は、微かに震えているのがわかった。
「圭ちゃん…中学2年の時にさ、急に私を安田って呼び始めたよね?」
「………」
…はっきりと覚えてる。
葉月って呼び方を同級生にからかわれて、呼び方を変えた。
安田はこんな奴だから、中学に入ってもガキの頃と変わらない付き合いをする。
俺と安田が付き合ってるって思ってた奴もいたくらいだ。
俺は否定した。
嫌だったんだ。
幼なじみだからとか、そういう見方で付き合ってると思われるのが。
安田は、俺を幼なじみ以上に扱わなかった。
男として見てなんかいなかった。
だから普通にチャリに乗って、俺の腰に腕を回してこれたんだよ。
俺が初めて安田と呼んだ時…それは、初めて安田とケンカした時。
何で急に安田なんだと、お前は怒ったんだよな?
悲しそうな顔して、潤んだ瞳で…泣きたいのを我慢してるって俺は気付いてた。
俺は、お前と距離を置きたかったんだ。
あんまりお前が俺を男として扱わないから、幼なじみの枠から出てみようかと思ったんだ。
でも、安田は変わらなかったな。
変わらなかったんだ。