俺と葉月の四十九日
詳しい奴なら聞きたい事もあった。


ブル田…名前はとりあえず覚えた。
すげぇ変な名前だし。



「そろそろ教室に戻らねぇ?」

立ち上がった俺の背中に、一瞬悪寒が走った。
ぞくっとする、寒いこの感じ…。


「わり、二人とも先に戻っててくれねぇ?」

屋上のドアへと向かいかけた二人の背に、俺は笑って言った。

「何でだよ?」
「あ〜…ちょっと電話してぇから、済んでから戻るわ」


感じた悪寒、間違いが無ければ多分…。

二人を見送り、俺は後ろを振り返った。


「圭ちゃん、最近勘がいいねぇ」

やっぱり安田だ。

近頃は安田の現れる気配を、悪寒で感じ取れるまでになっていた。
慣れって恐ぇ…。
便利ではあるけど。

他の奴にバレない様に行動する事ができるからだ。
安田と会話中の俺は、周りから見たら空気と会話中にしか見えねぇだろう。


「ドコ行ってたんだ?また散歩か」
「そんなトコかな〜」

ユーレイのくせに軽い口調。
生意気は死んでも治らない。

「一人バスケでもしてたか?」
「何で知ってんの?!」
「知ってるに決まってんだろ」

得意げに笑ってやった。
安田は少し動揺してる。
ちょっと気分がいいな。
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