俺と葉月の四十九日
後悔ばっか。


そういやブル田に言われたんだ。

安田に頼ってきたんだぞって。
だからこそ変わって生きろって。

それが安田が俺に与えた試練なんだって。


嬉しかったよ。
ブル田に励ましてもらえた事が。


悲しみも、いつかは癒えるのか?
その時には、安田は過去になっちまうのかな。

悲しみが継続を意味するとは思えねぇけど、癒えると考えると…安田の存在が軽くなっちまう気がして怖い。


忘れるくらいなら、癒されなくていい。

忘れる方が苦しい。


安田が生きていた過去、そして俺の想い…安田が好き。


好きだと言ったら、安田は返事をしないだろう。
返答する事が、俺を苦しめると思うだろう。


聞かなくてもわかる。
安田はそういう奴だ。

消えていく自分を知っているからだ。


……安田は何でユーレイになってまで俺の所に来たんだろうか。


居心地いいとか遊びたいからとか言われたけど。


本当なのか?


俺は、ブル田とゲームをしている安田を見つめた。

安田の身体はかなり透けてきていて、それは時間が迫ってきている事実を俺に思い知らせる。


安田…お前、何で俺のそばに居るんだ?
< 246 / 267 >

この作品をシェア

pagetop