俺と葉月の四十九日
俺は聞いてやる事も、笑顔も返せないまま見送ってしまった。
また…後悔。
後悔ばかり。
情けねぇ…俺。
一ヶ月半ぶりの学校。
日に焼けた学生、騒々しいくらいの活気と熱気。
飛び交う会話、笑い声。
はっきり言って違和感しかない。
何でみんな普通にしていられるんだ。
2-Aの教室の前に差し掛かり、俺は足を止めた。
葉月の居た教室。
通り掛かるといつも、葉月は気付いて手を振っていた。
思いきり振るから無視できなかった。
あいつが居ない今になって、俺は立ち止まってる。
今更だな。
「圭介!」
呼ばれて踏み出した足を止めた。
ブル田…。
「安田サンを見送ったのか」
「ああ…」
俺は笑った。
それは自分でもわかるくらい不自然な笑いで、察したブル田はそうかとうなづいただけだった。
正直助かった。
今は、あいつを語れない。
「圭介」
「何」
ブル田は切なげにため息をつき、視線を教室の中へと向けた。
「安田サンの机、撤去された」
「……そうか」
教室を見る。
葉月が座っていた机。
そこにあったはずの位置には、違う生徒の机が置かれていた。
また…後悔。
後悔ばかり。
情けねぇ…俺。
一ヶ月半ぶりの学校。
日に焼けた学生、騒々しいくらいの活気と熱気。
飛び交う会話、笑い声。
はっきり言って違和感しかない。
何でみんな普通にしていられるんだ。
2-Aの教室の前に差し掛かり、俺は足を止めた。
葉月の居た教室。
通り掛かるといつも、葉月は気付いて手を振っていた。
思いきり振るから無視できなかった。
あいつが居ない今になって、俺は立ち止まってる。
今更だな。
「圭介!」
呼ばれて踏み出した足を止めた。
ブル田…。
「安田サンを見送ったのか」
「ああ…」
俺は笑った。
それは自分でもわかるくらい不自然な笑いで、察したブル田はそうかとうなづいただけだった。
正直助かった。
今は、あいつを語れない。
「圭介」
「何」
ブル田は切なげにため息をつき、視線を教室の中へと向けた。
「安田サンの机、撤去された」
「……そうか」
教室を見る。
葉月が座っていた机。
そこにあったはずの位置には、違う生徒の机が置かれていた。