俺と葉月の四十九日
小さい顔に黒目がちのデカイ目、鼻も口も小さっ!肌も白っ!

髪なんかツヤツヤ。
やべぇくらい愛らしい……ランドセルが似合いそう。

お菓子とか買い与えたくなるかわいらしさだ。



だが俺の脳内では、村上の変わってるってセリフが回っていた。


ウン、このリアルタイム、既に確信に変わってるよ俺。



「安田サンを開放してたまえよ!!」


今、セリフ噛んだ?

ズボンの丈も短くて足首見えてるし…大丈夫なのか?
俺の方が心配しちゃってるよ!


「安田サン!今のうちに早くお逃げなさいよ!」


…おネェ言葉になってるし。
しかも何故に逃げる必要が?


隣に立つ安田は、わたわたと周りを見渡している。
かなりテンパってる様子。

だよな?
突然前フリ無しでこんな事言われりゃな。


「ブル田って私が見えてる?!何で?!」


ブル田はニンマリと笑った。
それから俺に背を向けると、芝居がかったオーバーアクションで空に向かい両腕を広げる。

「神から与えられたこの力で、安田サンを救いに来たのです!」


…誰に与えられた?
俺の耳がおかしいのか?

俺は、目の前に立つブル田の小っちゃな背を見つめた。
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