俺と葉月の四十九日
怖ぇ―――っ!!

相変わらず怖ぇよ、この人!!


「僕達は兄さんの相手をしている暇はないんだ」

オイ、ブル田…逆らわない方が。


「あぁ?てめぇ、ちっとばかし人気あるからっていい気になってんじゃねぇぞ?」

ほら!
もう早々とヒートアップしてんだろ?!


やべぇ!

この人、人目気にせずボコるから!


「ちょっ!聖矢さん」
「んだよ、圭もやられてぇの?」

冗談じゃねぇよ!


「今日は大事な日なんで…」


大事ぃ?と呟いた聖矢さんの視線が、手向けられたガーベラへと向いた。

「ああ、葉月ちゃんの昇天日か」


胸を撫で下ろした。

ブル田は怪我をしたせいか、納得できずに膨れてるけど。


「しょうがねぇなぁ」

ため息をつく聖矢さん。

ホント、この人を押さえるのって苦労だよ。
でも、理解してくれたみたいだしな。


「昇天日じゃしょうがねぇ…俺様が、ありがた〜い経でも唱えてやっか」

こんな往来で?!
理解してねぇじゃねぇか!


「経代として茶ぁ奢れよな」

頼んでいない事に対して報酬求めるんだ?

横暴な人だな。

知ってるけどさ。


経を唱え始めた聖矢さん…やっぱ注目浴びてる。
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