俺と葉月の四十九日
「あったりぃ〜!」


安田は、ベッドの上からフワリと飛んだ。

へにゃりと座り込む俺の前へと、舞い降りる様に両足を着く。


…ユーレイなのに足あるんだ?
しかもパンツ見えそうだった…って違う!!


「やっ安っ…何っ」
「びっくりした?」


金魚の様に口をパクパクさせる俺。
それを見て、楽しそうに笑う安田。

「驚き過ぎじゃない?失礼だなぁ」

驚くだろ!フツウ!!
しねぇ方がおかしいだろ?!


「何っ何で?!何でユーレイの安田がここに居るんだよ!!葬式はどうした?!」
「エ?自分のお葬式って出席しなきゃダメなの?」
「ヘ?そりゃ〜、お前…自分のだし…」


出席すんのか?


「って違う!何で俺のトコに出てんだよ!!死んだんだよな?!」

安田は、いや、安田のユーレイは、スネた様に唇をとがらせた。


「…そうなんだよねぇ」


だよねぇって…軽くね?
安田らしいと言えばらしいが。


「最初は何が何だか分からなくて、でもトラックに轢かれたのは覚えてたの。家に行ったらみんな泣いてて、私やっちゃったんだぁって呆然としてたら、亡くなったおじいちゃんに肩叩かれて…来るの早過ぎだろ葉月って突っ込まれた」
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