俺と葉月の四十九日
死んだじぃちゃんは食べたから、とか。


「供養の原理も同様、感謝の気持ちを持てば、先祖に届く。己が幸せである事が1番の供養。気持ちを届けるのだ」


何となく理解できた様な気がする。


安田が見つめているプリンは、ブル田の差し上げたい意思から届いているという事か。




「三谷圭介、この法則を脳に焼き付け、安田サンに美味なる物を差し上げるのだ」

…俺が差し上げるんだ?


「って、プリンにもエネルギーってあんの?」


ブル田は眉を跳ね上げ、唇の端をつり上げた。

「当然。プリンは卵から出来ている。元々生命のあったものが、過程を経てこの形になっただけの事。お前は日本人か?どうせ、いただきますの意味も知らんのだろう」


人種否定されたし…。

つか意味なんてあんのかよ?


「いただきますとは、食物の命を頂くという意味だ。あなたの命を頂いて、自分は生きさせて頂いているという感謝の意味。この世はそういう理の世、己が生きている事を当然と思うな。馬鹿者」


説教されてるし。
俺、客じゃないの?


しかしなる程、そんな意味があったのか。

スゲェな、日本の文化。
(ブル田がすごい訳じゃない)
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