俺と葉月の四十九日
「魂とか修業とか四十九日は分かった。で?他に何か話あるのか?」


俺は帰りたくなってきていた。
安田はのん気にプリン食ってるし。


「ねぇブル田ぁ。私、ドラゴンボール読んでてもいい?」
「いいですよ〜。気の済むまで読んで下さい」
「……」

こんな調子だし。

お前の事だろうが!
マジで緊張感の無いユーレイだな…。

ブル田は抱き枕を小脇に抱えながら、ポケットから何かを出した。

「これを受け取れ。三谷圭介」

…何?恐ぇもんじゃねぇよな?

ブル田が受け取れとテーブルの上に置いた物。
数珠?と…何か書いてある紙…お札?

「コレ何?」
「肌身離さず持っていろ」
いや、何でお前が俺にコレをくれるのかというのが疑問なんだが…」

…罠?!呪い?!

「よく聞け。三谷圭介」
もうフルネームやめね?芝居かかりすぎ。


「安田サン、つまり霊が見える者は、他の霊からも頼られるケースが多々あるのだ」
「…何だって?」


意味わかんねぇ。
他のって何。

「助けを求められる、イタズラされるという事だ」
「誰に?」
「不成仏霊」


………。


「俺が?!冗談だろ?!」

ふざけんなよ!
ユーレイなんて安田だけで充分!
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