俺と葉月の四十九日
「冗談ではない!」

ブル田は声を荒げた。

「頼られたとしても、貴様には除霊できる能力も知識も無い。弄ばれて朽ち果てるのがオチだろう」

…嫌な言い方。
もっと包み隠した言い方できねぇの?


「わかりやすく言えば、霊障を受ける可能性が非常に高く、最悪死もある」
「ハァ?!」

ますます冗談じゃねぇ!

「ソレ、マジ話かよ?!」
「ふふふ…怯えているな。まぁ、貴様の様な凡人には当然の感情だ」


何勝ち誇ってんだ!
俺を見下してる場合か!!
つか全然悔しくないし!


「だからこそ、この二つの物を授けると言っている」

数珠と紙?

「数珠は、貴様に悪意を持つ恐れのある霊や人物を退けてくれるだろう。札には、守護霊の力を高め、己を守る真言が記されてある。危険を察した時に唱えるのだ」

真言?って何?

俺は札を手に取った。

「な…ナウ…マ」

何?

「ナウマクサンマンダバザラダンカン。暗記しろ」
「え〜…」

恥ずかしいし面倒くせぇし。
つか、コレは必要なのか?うさん臭ぇ。

ただ、ブル田ワールドに誘導されかけてるだけなんじゃ?

「しっかりせんか!三谷圭介!」
「ボハッ!?!」

座布団が顔面に直撃した。
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