俺と葉月の四十九日
「ッ!何すんだよ!テメッ!」
「オ?やるのか、貴様。僕のカメハメハを受けたいのか?」

「ブル田、学校でもカメハメハしてたよねぇ〜」

マンガを読みながら、安田はのほほんと言った。

他人事かよ?この女。
ブル田も得意気。

「僕のカメハメハの破壊力は、直径10キロにまで及びますよ」

そんな最終兵器な…。
学校で放とうとしてたのか。
どんだけの犠牲を出すつもりだったんだ?


「でもさぁ、優しいよね。ブル田」

優しい?!
どこが?何を見て?!

ハァ?と眉をひそめた俺に、安田は笑顔で言った。
「私と圭ちゃんの心配してくれてるんだよ?ブル田は」


…嘘だぁ。


「四十九日、あの世の事。私に解りやすい様に教えてくれたじゃない?ちゃんと成仏できる様にって教えてくれたんだよ、きっと」


え〜…。
何かソレもうさん臭いな。
俺を恐がらせて楽しむ為じゃねぇの?


ブル田を見た。

ブル田はうつむいて、テーブルの下で何か動かして…。
いや、スネた子供の様に指を交差させてる。

ウワッ!!耳赤ッ!

…照れてるのか?もしかして。

「圭ちゃんにもお守りくれたり、心配してくれてるんだよ」


…そうなのか?
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