俺と葉月の四十九日
つまり…ここに居るって事は……。


「安田!お前!成仏とかしなくていいのかっ?!」
「成仏?」


安田はキョトンとした。
大きな瞳を瞬きしている。

知らねぇのかよ?!

「フツウ死んだら成仏してあの世に行くだろ?!ほらアレ…成仏しねぇとヤバくね?!テレビでやってるだろ!」


不成仏霊は、地縛霊とか悪霊になるとか何とか…。
よく心霊特番でやってる。


「マジやべぇって!マンガとか見てる場合じゃねぇって!!」

焦る俺を見て、安田は笑った。

「あははっ圭ちゃんおっかしい〜」
何がだよ!!
「四十九日って知らないの?」


…しじゅうくにち?


「人って死んでも、すぐあの世には行けないんだよ?行く場所が決まってないの。だから決まるまで、この世にいなくちゃいけない。その待機期間が四十九日。知らなかった?」

知らねぇよ!
知る訳ねぇだろ?!

つーか、行く場所なんてクジか何かで決めろよ!!
まぎらわしぃ!

違う!!問題はソレじゃねぇ!

「だからって何で俺の部屋に居る?!」
「何でって〜…居心地いいから」


そんな理由かよ?!
ユーレイに居心地いいとか言われる俺の部屋って、一体どんな空気だよ。
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