俺と葉月の四十九日
「は?だって死んだんじゃない」

「死んだら悪口言っていい理由なんてあんのか?アイツは人を呪うとか不幸にするとか、そういう事ができる奴じゃねぇよ!」


そうだよ…。

安田は、ただそばに居るだけだ。


生きてた頃みてぇに、楽しいって笑ってるだけなんだ。


それはもしかしたら、強がりなのかもしれねぇ…。
時々悲しそうな顔の安田も見てる。
でも、前向きに今の自分と向き合ってんじゃん!

俺だったら、そんなふうに笑って楽しいなんて言えねぇし、逆恨みもするかもしれねぇ…。


安田は違う。


あいつはそんな奴じゃねぇ。
それは死んでも変わってねぇ!


あいつの事は、ガキの頃から俺が一番知ってんだよ!!


「お前どれだけ安田を知ってんの?あいつはそんな腐った奴じゃねぇ!呪うとか考えちまうのは、国立自身が腐っちまってるからじゃねぇの?安田のせいにすんなよ!死んだからって何だよ!死にたくて死んだ訳じゃねぇのに、悪口まで言われたらたまんねぇよ!ムカついてんなら俺を責めろ!ふざけんな!」


言ってからヤバイと思った。


言い過ぎ?


うつむいた国立の肩が微かに震えている。

泣かした…俺か?
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