俺と葉月の四十九日
冗談じゃねぇ…!
ユーレイに居座られてたまるかっ!


「自分ん家帰れよ!おじさんとおばさんトコに居てやれよ」

俺の言葉に、安田は悲しそうにうつむいた。


うっ…何か今ズキンと胸が痛んだんだけど。
俺、嫌な事言った?


「ヤダ。ずっと泣いてるんだもん。見てるの嫌なんだもん」
「…仕方ねぇよ、それは」

子供が死んで、親が泣くのは当然だ。
嫌とか言ってられねぇだろ。

「先に死んじゃって、合わせる顔ないし」

いや、姿見えないんじゃね?
合わせる顔とか気にしなくても……。

「だから…四十九日まで圭ちゃんトコを待機場所にしようと決めたんだ」

あぁ…だから圭ちゃんのトコに…。


「はぁあぁっ?!」


何言ってくれてんの?!
しようって、決めちゃってんの?!


「ふざけんなよ!何決めてんの?!」
「家にも近いし」
「ならいっそ帰れ!」


何でユーレイの安田が、四十九日を俺の部屋で過ごすんだよ!

有り得ねぇ…絶対有り得ねぇ…。

一体なんだよ!この展開!

頭の中が整理できねぇ!

安田はにっこりと…笑いやがった。

「よろしくね、圭ちゃん」

よろしくしたくねぇ――っ!!

「…ダメ、かなぁ?」
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