俺と葉月の四十九日
自分に?


「人間はすぐ、他人と同調して安心感を得ようとする。同調ではなく、協調を学ぶべきなのだ」


同調?協調?

どう違うっつーの?
同じに聞こえるけどなぁ。

「人間は十人十色、個性がある。個性とはすなわち、短所と長所が合わさったものだ。なのに、少し違う、変わっているというだけで、人間は区別しようとする。なぜ認め合って生きていけないのだ。認めないから優越感だの劣等感だのが生じる。劣等感があるなら、羨む前に己だけの個性をのばし、努力して自信に変えろ。優越感があるなら、その余裕を人助けに使え。下らん感情で己の質を下げる奴が多すぎる」


うわ…何?
このズッシリ感―…。

重い!重い言葉!


精神論?哲学?説法?

ブル田のくせに、童顔のくせに重い事言う。
内容的には、とても高校生とは思えねぇ…。


「同調と協調は違う。協調とは、互いの個性を認め合い、尊重し合い、協力していくと言う事だ。僕は、自分を偽り同調しようとは思わん。理解できない輩とは戦う」


カメハメハで?

「三谷圭介。貴様の好みも否定するつもりはない」
「は?」


俺の好み?


ブル田は右腕を上げ、ベッドを指差した。
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