俺と葉月の四十九日
ブル田は安田が見える奴だ。


安田が見えない村上や光に相談する訳にはいかねぇ。
しかもあいつら、安田のユーレイの噂面白がってたしな。


そういや…さっきブル田が言ってたな。
互いの個性を認めて尊重していくのが協調だって。


俺、何となくわかった気がする。


いいんじゃねぇかな…ブル田みたいに変わった奴が友達でもさ。


「ブル田」
「何だ」

ドアノブに手をかけたブル田は、俺の呼び掛けに振り返った。


「行くぞ、海。連絡くれよな」


ブル田は赤面した。

小学生バリに、分かりやすくうつむいて照れている。
いや、嬉しいんじゃねぇのかな?
何となくそんな気がする。


「海…考えておこう」
「それとさ、フルネームやめねぇ?」
「なぜだ」
「怪しいからだよ。呼び方なんて圭介でよくねぇ?」
「…………」


無言になったブル田は、耳まで赤くなっていた。
面白ぇな、マジで。


ブル田って、口でなんやかんや言っても態度で隠せねぇ奴だよなぁ。
慣れてねぇんだろうな、こういうのに。


俺は認めるぞ、お前の存在。

趣味を一緒にってのは嫌だけど、ソレだけが友達付き合いじゃねぇし、いいんじゃねぇかと思う。
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