俺と葉月の四十九日
スネた様な安田の表情。


生きてる時と同じだ。
強引なトコも、甘えるトコも。

俺、死んでユーレイになった安田にまで振り回されてる。


ダメとかそういうんじゃねぇ。
お前、ユーレイだから。

とりあえず突っ込んどく?


安田は、考え込む俺に再び顔を近付けてきた。
そして…信じられないセリフを吐いた。


「ダメって言ったら私、圭ちゃん呪うからね」

「はあぁ―――?!」


何ソレ何それ!!
呪うって…脅し?!



呆然とする俺を見て、安田はニヤリと笑った。

邪悪な笑みだ…マジ?


「…お払い呼ぶぞ」
反撃してみた。
「圭ちゃんはそんなコトしないもんね」
「何でだよっ」
「圭ちゃん優しいもん」


何?…何なんだ?この満面の笑みは。
さっきの邪悪はドコに隠した?

くそ!何だよっこいつ!
こういうトコ、昔から変わんねぇ。
気まぐれで自分勝手で強引で。

なのになせが嫌われねぇ。マジ訳わっかんねぇ!!

幼なじみってこういうモン?


…考えるのも面倒くせぇし。


「…俺の邪魔だけはすんなよな……」
「やっぱり?!圭ちゃん超優しい―っ!」

喜ぶ安田、のユーレイ。

呪われるのは嫌だしな。
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