俺と葉月の四十九日
昨夜だって!
ユーレイだから眠れないってグズるお前に付き合って、午前まで人生ゲームやってやったじゃん!

しかも安田手作りの変なルールばっかの人生ゲーム!


進んだコマにあった振付つきでモー娘歌うってヤツだって、ちゃんと実行したじゃん!

めちゃめちゃ恥ずかしかったけどな…夜中にモー娘で振付。


だから眠いんだっ、疲れてんの!俺は!
生身の人間なの!


「何で安田は自分のペースなんだよ!待つってできねぇ?!待つってさぁ!」
「……待つ」

安田は噛み砕く様に俺のセリフを復唱した。
そしてなぜか…俺の足元に正座をしている。


「待ってたら、圭ちゃん起きる?」

スネてるのか、唇をとがらせている。
何?この空気…。


「私、一分一秒も惜しいんだもん。時間ないんだもん。いっぱいやりたい事あるし、遊びたいじゃん」
「………」


忘れてた。


こいつ、期間限定でここに居るんだ。
あんまり変わりないから、つい忘れてた。


四十九日、8月26日だったか。

残り一ヶ月もないんだ…。


「私…圭ちゃんが遊んでくれるから、嬉しくて…調子に乗っちゃって」

うつむく安田。

え?ちょっ…泣いてんの?
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