俺と葉月の四十九日
「そういや映画って何時からだ?」

俺は、隣で歌う安田に聞いた。

こんなに早く起こされたんだ。
それはそれは、早い時間にやるんだろうなぁ?


「わかんない。映画館に行けばわかるよ?」


何だそれ!

今まだ9時だぞ?
電車で行ったって20分そこそこなのに、行けば分かるって何!


うあ―!時間の無駄!!


「お前さ、チラシ持って来るくらいなら時間も見とけ!」

マジで計画性の無い女。
生きてても死んでても変わんねぇズボラさだ!


「いいじゃん、のんびり行こうよ」

お前、さっき自分には時間が無いとか言ってなかった?


いや、突っ込むのはやめとこう。
口じゃ安田には勝てねぇ。ガキの頃から、こういう事は何度もあった。

諦めろ、こいつはこういう女だ。


てか、俺もそろそろ安田について学習してもいい頃だよな。
こいつに振り回されない為の学習を。


考えて、少し鬱状態に入った。


俺、全然学習してねぇじゃん。

何回も安田のペースに乗せられてるし。
一応、警戒はしてるつもりなんだけどな。
安田が上手ってヤツ?

…いいや。面倒臭ぇ。

今更変え様がねぇもん、このボジション、位置関係。
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