Vanilla Essence
プロローグ
朝――――
6時に、不快な目覚まし音が、部屋中に響き渡った。
「う"~……」と唸りながら目覚ましを止めるのは、女の子。
目覚ましを止めてすぐ、ゾンビのように、その体をゆっくりと起こした。
彼女の綺麗な髪の毛はボサボサとなっていて、しっかりと寝癖がついていた。
「あ~…眠い…」
彼女はそう言い、ベッドの上で両腕を天井へと突き上げ、大きく伸びをする。
そうして5分が経った頃、彼女はようやく行動を始めた。
中川紗由美、16歳、高校1年生。女子校に通う、どこにでもいるような女の子。
小柄な彼女は手足が細く、透き通るような白い肌をしていた。